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読み物としては面白いが根拠がはっきりしない歴史書 [メデイア 言論]

あるメルマガの記事にて、最近発刊された歴史書の紹介文を見つけた。内容的には面白そうだ。ただ、下記の本の「キリスト教の狭量」記事における出所表示はどうなっているのか、気になっている。


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「宮崎正弘の国際情勢解題」 

  令和四年(2022)2月13日(日曜日)

      通巻7217号

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 ★日曜版 読書特集

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門田隆将 vs 高山正之『世界を震撼させた日本人』(SB新書)

樋口敬祐、上田篤盛ほか『インテリジェンス用語事典』(並木書房)

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  書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 

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 「日本人が素晴らしい」のは自明の理だが

   どこが、なにゆえに素晴らしいのかを歴史を溯って解明


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門田隆将 vs 高山正之『世界を震撼させた日本人』(SB新書)

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 篤い議論がとまらない。本書に挑む人はまずハンカチを用意すべし。

 全編が感動の渦、いまの日本人は、過去の日本人の慰霊を前に恥を知るべきだろう。

「日本人が素晴らしい」ことは言い尽くされた、自明の理。しかし「どこが」、「なにゆえに」素晴らしいのかを二人の対談は歴史を溯って解明していく。

 乃木大将、柴五郎、明治天皇、栗林忠道、酒井三郎、日系人442部隊。。。。夥しいほどの英傑に恵まれた。

 毅然として、凛として、使命を全うし、祖国のために活躍した人々をふたりは淡々と語りながらも、その言葉自体に霊魂が籠められている。

 評者、多くを語るまい。読んで涙し、現代日本を憂うるだけではなく、何かをしなければ死にきれないという決然たる思いを抱くだろう。


 さて評者があらためて知った意外な側面をひとつだけ。

 キリスト教の狭量についてである。

 ローマ帝国は多神教だった。ギリシア神話の神々を崇め、ミトラ教、イシス神を信仰していた。キリストを禁止したのは、狭量、その異教徒を認めない傲岸さにあり、ネロはキリスト教徒を迫害した。ローマを扼する危険思想と判断したからだ。三百年、禁教とされたキリスト教はしぶとく、しつこく浸透し、392年にローマの国教となる。

 高山正之氏の解説が始まる。

「途端にキリスト教徒が何をやったかというと、イシスやミトラなど、全ての他の神々の神殿をぶち壊し、その信仰を禁じた。ローマの礎だったギリシアの神々もすべて追放しただけではなく」、多くの聖地を壊滅させ、それでも反対する学者等を片っ端から殺した。

 門田氏が承けていう。

「不寛容というか、ものすごい攻撃性ですよね。十一世紀に始まるエルサレムをめぐるイスラムとの戦いなんて、キリスト教徒のほうがはるかに残虐です」。

 そのキリスト教が十六世紀に日本にやってきた。

 高山 「礼儀をわきまえない連中だった。宣教師どもは、九州の大名に取り入って、まずは近隣諸国と戦争をさせた。それで日本人に初めて敵を捕虜に取ることを教えた。捕虜は売れることも教えた。売買は宣教師どもがやった」

 秀吉は怒り、やがて家康は禁教令を出し、高山右近等を追放した。右近は高槻城下の神社仏閣を破壊し、坊主を殺し、旧聖地におぞましいキリスト教会を建てたからだ。

 門田 「日本がキリスト教化しなかったのは、当時世界ナンバーワンの強さを誇った日本の武士たちのおかげです」 

 武士道精神、いまだ行方不明の現代日本。

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サンプル的に何が問題なのか示す。


イシスやミトラなど、全ての他の神々の神殿をぶち壊し⇒どの文献で確認したのか

その信仰を禁じた⇒どの文献で確認したのか

ローマの礎だったギリシアの神々もすべて追放⇒どの文献で確認したのか

多くの聖地を壊滅させ⇒どの文献で確認したのか

反対する学者等を片っ端から殺した⇒どの文献で確認したのか



断定して書いているが、推論とする余地はないのか。

ともすれば歴史学者たちは断定調で書きたがる傾向がある。


本を手にとって確認してはいないが、高山正之の本にはどの文献からの引用なのか、出典表示がないケースが大部分、今回も同様、対談本なので情報の出所(ネタ本)の記述がまったくない可能性がある。


1000年以上前に起きたことは史料(情報源)がないと確認できないことが多い。

大学教授だった方なのだから誤解を生じない様、しっかり情報の根拠を表示いただきたいところである。


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コメント 2

青い森のヨッチン

歴史は教わるもの習うものではないと思っています。
自分で調べてみようという気が無いと・・・
教える教わるなら隣国みたいな歴史観を持つ国民ばっかりに
by 青い森のヨッチン (2022-02-19 23:52) 

駄洒落好きな庭師

文系学問は独学で学べるものが多いように思います。
教えてもらうよりも自分で習得する感じ?
by 駄洒落好きな庭師 (2022-02-20 09:47) 

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