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Queen 日本公演について [音楽・ドラマ・映画]

Queen 日本公演が終了した。今回は以下の日程で行われた。おそらく今回が最後となりそうな気がする。
2024年2月4日(日) 愛知 バンテリンドーム ナゴヤ
2024年2月7日(水) 大阪 京セラドーム大阪
2024年2月10日(土) 北海道 札幌ドーム
2024年2月13日(火) 東京 東京ドーム
2024年2月14日(水) 東京 東京ドーム
クイーン来日公演.jpg
北米ツアーに続く来日公演とのことなので、ビジネス上、日本は世界第2の市場と評価されていることになる。
この公演には、家内と子供が聴きに行った。チケット代でそれなりのホテル1泊相当額である。
チケット代で20万を超えるものも販売された。
私には手が出ない。そもそも熱狂的なQueenファンではない。家内は、あの映画を通じてファンになった。私は違う。最大の関心事は、フレディ・マーキュリー全盛時代、それも、今回の来日公演で名曲ボヘミアン・ラプソディに代表される、重厚かつ衝撃的リズムのコーラスパートをコンサート会場でどう再現するかにあった。
Queen+Adam Lambert 2024.4th Feb. Japan Nagoya Love of my life〜Teo Toriatte(Let's us cling together)
家内の話によると、コーラスパートは録音された音源を準備し、ステージ両側のスピーカーを通じて拡散されたのだそうだ。つまり、コーラスパートはカラオケ状態。カラオケに合わせて、リードヴォーカル、ギター、ドラムパートはそれなりに演奏していたことになる。
同様の傾向はフレディ・マーキュリー時代のライブでもあった。実際、ギター、ベース、ドラムスパートの人がマイクから離れた場所で演奏していた。
QUEEN - Bohemian Rhapsody
家内の話によるとコンサート会場で聴取者は総立状態にあったそうだ。
私は熱狂的ファンではないため、そこまでするつもりはない。
年相応、けたたましい音を受け付ける年齢ではなくなったのである。

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ドビッシー聴き比べ [音楽・ドラマ・映画]

クラシックのピアノ曲の中で、聴き比べして面白そうなのはそんなにない。
印象派の作曲家ドビッシーは、他の作曲家とは異なり、独創的なピアノ曲を残した。
私的にはドビッシーのピアノ曲CDは、結構購入、あまり聴かず放置状態だったが、チッコリーニのCD購入を契機に所蔵CDを聴き比べてみた。
・ギーゼキング
価格的に安価かつ無難な演奏。これを買っておけば間違いはない。
・ミケランジェリ
名手ミケランジェリのドビッシーの[Image]は一聴の価値がある。名手ならではのさっぱりとして爽やかさあふれる演奏。ドビッシーが作曲時に企図した「虹」が一番見えている演奏家。
Arturo Benedetti Michelangeli plays Debussy - Images (1962)
Debussy: Préludes / Book 1, L. 117 - I. Danseuses de Delphes
・ポリーニ
アンコールでドビッシーを弾くのには驚いた。日本のコンサートということでの粋な選曲と思う。いつも通り格調高く仕上がっている。
Pollini plays 2 preludes by Debussy as encores in Japan
・サンソン・フランソワ
聴き手からみて演奏家の好きな曲とそうでない曲がわかりやすい。聴き比べた中でベストと思ったのがフランソワ。ミケランジェリやポリーニの演奏は素晴らしいが、ダイナミックな感性に溢れ、新たな発見がある次元の違う演奏が多い。
フランソワ ドビッシー.jpg
ドビュッシー 「版 画」 サンソン・フランソワ Debussy “Estampes”
2 Arabesques, CD 74, L. 66: No. 1, Andantino con moto
月の光 Clair de lune サンソン・フランソア1961
ドビュッシー:映像 第1集 / フランソワ
・辻井伸行
どの演奏も素晴らしい。フランソワの演奏を涼しくかつ清流が流れる場所で聴いた感じに近い。清潔感、ダイナミック感、リズム感は突出している。YOUTUBEで素晴らしい演奏が無料で聴けることが申し訳ないくらい。
Nobuyuki Tsujii plays Claude Debussy’s L'Isle joyeuse 辻井伸行/ドビュッシー:喜びの島
辻井伸行 子供の領分 ドビュッシー作曲 (グラドゥス・アド・パルナッスム博士 象の子守歌 人形へのセレナード 雪は踊っている/小さな羊飼い 
辻井伸行  亜麻色の髪の乙女 (La fille aux cheveux de lin) ドビュッシー作曲 Nobuyuki Tsujii
・リヒテル
名手なのだが、どう論評していいかいつも迷う。
ドビュッシー 「版 画」 スヴャトスラフ・リヒテル Debussy “Estampes”
・カサドシュ
フランスものを得意とするピアニスト。モーツアルトの場合と同様、柔らかで上品な演奏。BGM向き。
・ルガンスキー
右手の冴えある演奏と比較し左手の音が弱い?ため、ダイナミックさに欠けるという評価があるようだが、楽しめる演奏と思う。
Lugansky - Debussy, Estampes : Pagodes, La soirée dans Grenade, Jardins sous la pluie
・チッコリーニ
メリハリの効いたド派手なドビッシー。出来は悪くない。これも一つのスタイル、ホームコンサート風と思えばいい。
・アルゲリッチ
名手であることは確かだが、ドビッシーはあまり弾かない。
Martha Argerich | Debussy: Estampes (Live)
・モニク・ハース
あくまで教科書的な演奏。クラシック初心者向き。
・館野泉
印象に残る演奏が多い。安心感あるノクターン感覚の演奏が多い。
ドビュッシー:夢
・冨田勲
シンセサイザーでの編曲もののCDを聴いた時は度肝を抜かれた。感化されて、ヤマハのシンセサイザーやマルチトラックレコーダー、シーケンサーを購入したが、結局何もできずに終わった。
早期退職し、晴れて退職した翌日に聴いたドビッシーは、何物にも囚われることのない世界を表現していた。1カ月はフレッシュな気分に浸れた。
持病を抱えていたこともあり、以降働きに出ることはしなかったが、振り返ってみて早期退職即隠居が自分の人生において最善の決断だったと今は思っている。

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美しいショパン [音楽・ドラマ・映画]

クラシック初心者時代、中村紘子が演奏するショパンの有名曲をよく聴いた。

ただ、彼女が全盛期、コーヒーのCMに長期間出演したこともあり、甘さたっぷりのショパンの固定概念が残像として残ってしまった。

その後、これら有名曲を毎日聴くことは次第に受け付けられなくなった。


一方、(甘さのない)ショパンの難曲を上手にピアノを弾ける演奏家はたくさんいる。ポリーニはその代表格。芸術家として評価すべきレベルのレコードとして、ショパンのエチュードがある。この演奏は、他の演奏家と比較し圧倒的な演奏として評価されている。音楽評論家吉田秀和の評価もそうなっている。


しかし、ショパンに限って言うと、ポリーニの演奏は、甘ったるさがなく、品格を備えた素晴らしいものなのであるが、何か足りない気がする。


しかし、近藤由貴が弾くショパンは、そのようなことはない。

心に響くのである。彼女が演奏したショパンの「別れの曲」は、普通のピアニストの場合、悲しい別れを聴きながらイメージしてしまうが、彼女の場合は美しい別れに聴こえてしまう。


近藤マジックと言っていい。


ショパン 別れの曲 エチュード Op.10-3 ピアニスト近藤由貴/ Chopin Etude Op.10 No.3 Tristesse,Yuki Kondo





ノクターンはどうか。全曲演奏したものはないが、ノクターン第2番安心して聴ける。ノクターンは安心感が重要な要素。演奏家としての主張を極力抑え、ほっとするひと時が味わえる。甘ったるさもない。


ショパン ノクターン第2番 ピアニスト近藤由貴/ Chopin Nocturne Op.9-2,Yuki Kondo【クラシック名曲】



子犬のワルツについては、ともすればトリッキーな演奏が多い中、彼女は右手と左手が同期した正確な演奏を試みている。耳でかなり細かい音を聴き分ける能力がある、素晴らしい耳をしていると思う。


子犬のワルツ/Chopin Minute Waltz 近藤由貴 Yuki Kondo



ワルツ集最初の曲で、ありふれただるさ感が漂うせいで、ワルツ集の中で一番聴きたくない曲であるが、彼女の演奏は、酒に例えると上善水の如し的水準に仕上げている。


ショパン:華麗なる大円舞曲 Op.18 ピアニスト 近藤由貴/Chopin: Grande Valse Brillante Op.18, Yuki Kondo



幻想即興曲は、演奏家としての誇張というか主張を控えた、スッキリとした演奏である。


ショパン: 幻想即興曲 ピアニスト 近藤由貴/Chopin: Fantasie Impromptu Op.66, Yuki Kondo



軍隊ポロネーズは、キレがあり、マシンガンにように畳みかける重層な演奏である。


ショパン:軍隊ポロネーズ ピアニスト 近藤由貴/Chopin: Military Polonaise Op.40-1 Piano, Yuki Kondo




演奏テクニック的には、彼女以上の演奏家はいる。が、彼女は、原作に忠実かつ美しいショパンを聴き手に提供しようとしている。彼女の演奏を聴いて、ショパンを聴き直す気になった。


「ショパン」という月刊誌にて彼女のことが紹介されたそうである。

近藤由貴.jpg



私にとって、今、コンサート会場で聴きたい演奏家は近藤由貴ただ一人である。



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本質を読み取る感覚 たった一つの名演奏 [音楽・ドラマ・映画]

盲目のピアニスト辻井信行の何かと話題の演奏をYOUTUBEで聴いてみた。

ベートーヴェンのピアノソナタ「月光」

ベートーヴェンのピアノ協奏曲第五番「皇帝」

ショパンの英雄ポロネーズ




辻井伸行×ドイツ 月光 ソナタ ベートーヴェン




辻井伸行さん[ベートーヴェン 皇帝]in ニューヨーク2016 Beethoven Piano Concerto Emperor performed by Nobuyuki Tsujii


辻井伸行*『英雄ポロネーズ』(ショパン)*魂の響き*世界に一つだけの響き




実はモーツアルト派なので、これらの3曲は、あまり好きな曲ではない。また、辻井のエコーがかった演奏はすっきりとしたものであることは認めるがあまり好きではない。


ただ、それでも演奏としては凄いと思う。

ピアノソナタ「月光」はせつない気持ちを他の演奏家以上に表現しているし、皇帝ではヨーロッパの大美術館でみるような壮麗さがある。英雄ポロネーズは子犬のワルツ並みにリズミカル、そして何より力強さがある。



動画のコメントの評価は正鵠を得ている。その通りだと思う評価をリストアップしてみた。




@k_k3827
辻井さんの演奏を聴くと、
本当はこういう曲だったんだ[exclamation]?と思う。
作曲家が本当に表現したいことを表現できる音楽性と、技術を持っている。
特にラカンパネラの繊細だけど、激しい演奏は、それを体現してる。
@asouakio
ラカンパネラの複雑なサビが連続すると後半は疲れて混乱してミスしがちですが
辻井さんはずーっと安定した演奏で、全くミスする気配が無い。
しかも前半と後半の音のキレが変わらない。ダレが無い。最後まで一音一音がクリアで粒が揃っている。
信じられないタフさですよ。
@masn9963
この皇帝っていう曲そのものに感動してしまった。
なんじゃこの曲は……こんな曲が作れるベートーヴェンって本物の天才だわ……
どんだけすごい曲か分かるのも演奏のおかげだな
@user-rm7wv7mx4p
早いって言ってる人の気持ちもわかるというか、アレッ再生速度速くなってたかなって確認してしまった[わーい(嬉しい顔)][あせあせ(飛び散る汗)]
それでこの音のクリアさキラキラさ。。。
雑って言ってる人いるけど、英雄の勇ましさを表現しているのではないでしょうか。これだけ音が立って弾いてる人に「雑」はないでしょう??
@ym1603
こんなに音が鮮明な英雄ポロネーズは聞いた事がありません。
本当に素晴らしいです。
@tomo73tv.
天才的、ピアニスト、は人しれず、自分の生きる道、を探したんでしょうね、すごい練習に練習、重ねて頑張りましたね、数々の演奏、涙か溢れます、あの指さばき、スゴスギます、これからも、素敵なピアニスト長く続けてくださいませ、
@junishibashi9379
アルゲリッチのそれが一つの完成形であるとするならば、辻井さんはこの曲をアルゲリッチ風な弾き方で弾く方が得意な気がします。それをあえてしないのは、寄せたら「マネ」と言われてしまうからかもしれないですね。かぶらないようにしなければならない苦悩があったのかもしれないです。



作曲家が本当に表現したいことを表現できる音楽性と、技術を持っている
ずーっと安定した演奏で、前半と後半の音のキレが変わらなく、全くミスする気配が無く、最後まで一音一音がクリアで粒が揃っている
どんだけすごい曲か分かる演奏
こんなに音が鮮明な英雄ポロネーズは聞いた事がない
である。
辻井はクラシック音楽ピアノ演奏史に残る演奏家となった。
作曲家が本当に表現したいことを表現できる音楽性と、技術を持っている演奏家はめったに現れない。YOUTUBEで無料で鑑賞できることに素直に感謝したい気持ちである。

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埋もれつつあるクラウディオ・シモーネ指揮の名盤 [音楽・ドラマ・映画]

クラシック音楽の世界は、音楽雑誌等の評判で売れ行きが決まる世界になっているところがある。

それによって得をしたのはユダヤ人演奏家たちと言われている。



演奏が一定水準以上にあれば、後はスポンサーの力がものをいうところがある。



バロック音楽の世界では、あのヴィヴァルディの「四季」の演奏からイムジチが圧倒的なシエアのようだ。


しかし、正直言って、イムジチの演奏は常に張りつめていて聴いていて緊張感を強いられる。演奏として素晴らしいのは素直に認めるのであるが付き合っていて疲れるのである。

正座してクラシック音楽鑑賞したい人ならそれでもいい。私の場合、BGM的な聴き方、ながら聴取なので性に合わない。


イタリア人指揮者クラウディオ・シモーネの場合はそんなことはない。演奏場所での残響効果があり、ベネツィアのどこかの(歴史的)施設で聴いているような空気感がある。そこがたまらない。演奏も録音もピカ一とは思えないが、落ち着いたあっさり目の演奏が聴ける。


お値段は、イムジチが似たような企画のボックスセットを出した場合の、おそらく3分の1くらいの価格。何でもかんでも値上がりする昨今、えーこの価格で!(*_*)と驚愕する価格。



お薦めのセットは「ヴィヴァルディ: 協奏曲集」、「アルビノーニ: コレクターズ・エディション」。


ヴィヴァルデイ 協奏曲集.jpg



アルビノーニ シモーネ.jpg


演奏について言うと、「四季」についてはこういう表現方法があるのかというレベルの優美さがある。実際の録音場所まで確認していないが、ベネツィアで聴いている気にさせる雰囲気を含め、何となく得した気分になるセットである。




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