SSブログ
音楽・ドラマ・映画 ブログトップ
前の5件 | 次の5件

埋もれつつあるクラウディオ・シモーネ指揮の名盤 [音楽・ドラマ・映画]

クラシック音楽の世界は、音楽雑誌等の評判で売れ行きが決まる世界になっているところがある。

それによって得をしたのはユダヤ人演奏家たちと言われている。



演奏が一定水準以上にあれば、後はスポンサーの力がものをいうところがある。



バロック音楽の世界では、あのヴィヴァルディの「四季」の演奏からイムジチが圧倒的なシエアのようだ。


しかし、正直言って、イムジチの演奏は常に張りつめていて聴いていて緊張感を強いられる。演奏として素晴らしいのは素直に認めるのであるが付き合っていて疲れるのである。

正座してクラシック音楽鑑賞したい人ならそれでもいい。私の場合、BGM的な聴き方、ながら聴取なので性に合わない。


イタリア人指揮者クラウディオ・シモーネの場合はそんなことはない。演奏場所での残響効果があり、ベネツィアのどこかの(歴史的)施設で聴いているような空気感がある。そこがたまらない。演奏も録音もピカ一とは思えないが、落ち着いたあっさり目の演奏が聴ける。


お値段は、イムジチが似たような企画のボックスセットを出した場合の、おそらく3分の1くらいの価格。何でもかんでも値上がりする昨今、えーこの価格で!(*_*)と驚愕する価格。



お薦めのセットは「ヴィヴァルディ: 協奏曲集」、「アルビノーニ: コレクターズ・エディション」。


ヴィヴァルデイ 協奏曲集.jpg



アルビノーニ シモーネ.jpg


演奏について言うと、「四季」についてはこういう表現方法があるのかというレベルの優美さがある。実際の録音場所まで確認していないが、ベネツィアで聴いている気にさせる雰囲気を含め、何となく得した気分になるセットである。




nice!(40)  コメント(2) 
共通テーマ:音楽

春と言えば「田園」交響曲 [音楽・ドラマ・映画]

長かった冬が終わるこの時期によく聴くのが、ベートーベンの田園交響曲である。


春の訪れとともに歳とともにこの曲を聴くようになった。


作曲したベートヴェンは、田園の風景を曲にした訳ではないとしている。おそらくその通りだろう。


==================




風景の描写ではない

田園という標題ですが、田園の風景を曲にしたわけではありません。

ベートーヴェンは「この交響曲は絵画的な描写を表現したものではない。人々の心の中に起こる田園での喜びの感情を描いたものだ。」と語っています。

ベートーヴェンが自然を愛したことはよく知られており、「ハイリゲンシュタットの田園風景」に彼は深い愛を感じたのでしょう。


また当時、「自然をテーマとした明るい音楽」が流行していました。


===============


ここで、田園交響曲聴き比べをしたい。

なぜ聴き比べするのか。聴き比べがクラシック愛好者の愛好スタイルの一形態と考えられるからだ。


ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」聞き比べ



ベートーヴェン 交響曲第6番『田園』



名盤として、ピエール・モントゥー指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の田園がレコード雑誌等で紹介されている。が、それ以外でも名盤レベルのものが続出している。甲乙つけ難いのである。


ワルター指揮コロンビア交響楽団のものは、万人受けするさっぱり感がある。

ワルター田園.jpg



カラヤン指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のものは、ややスピーデイ、ドラステイックな印象がある。

カラヤン田園.jpg



ウイーンフィルだと、イッセルシュテット指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団がある。いつもながら上品な演奏と思う。

イッセルシュテット田園.jpg




じっくり堪能するなら、カルロ・マリア・ジュリーニかフルトヴェングラー指揮のものを選びたい。ワルター、カラヤンとは別次元の田園世界が拡がるはずである。

ジェリーニ田園.jpg


フルトヴェングラー.jpg



nice!(50)  コメント(4) 
共通テーマ:音楽

ムターのヴァイオリン 程良く抑制された音楽美 [音楽・ドラマ・映画]

ヴァイオリンについては、趣味的にはBGM指向。ドラマチックな強調が少なく、演奏スタイル上の流儀が気になるほどでもなく、楽譜にやや忠実な演奏スタイルのヴァイオリニストのものを選んで聴くようにしている。


世界ランキングなるものが存在する。





バイオリニストランキングTOP30【世界一流のバイオリニスト】


第1位 アンネ=ゾフィー・ムター

第2位 ギドン・クレーメル

第3位 五嶋みどり

第4位 ヴィクトリア・ムローヴァ

第5位 チョン・キョンファ

第6位 諏訪内 晶子

第7位 前橋 汀子

第8位 堀米 ゆず子

第9位 千住 真理子

第10位 竹澤 恭子

第11位 ジャン=ジャック・カントロフ

第12位 ローラ・ボベスコ

第13位 徳永 二男

第14位 漆原 朝子

第15位 加藤 知子

第16位 藤川 真弓

第17位 古澤 巌

第18位 漆原 啓子

第19位 戸田 弥生

第20位 シュロモ・ミンツ

第21位 樫本 大進

第22位 ピンカス・ズーカーマン

第23位 チョーリャン・リン

第24位 ウート・ウーギ

第25位 アン・アキコ・マイアース

第26位 ジョシュア・ベル

第27位 数住 岸子

第28位 小林 美恵

第29位 フランク・ペーター・ツィンマーマン

第30位 川田 知子


日本人演奏家が結構居る。驚いた。CD売上げに占める日本市場の大きさを示しているはずである。

このランキングには不思議なことに名手と言われたイツァーク・パールマンは入っていない。

何が評価の物差しなのか、わかりにくい。


第一位のアンネ=ゾフィー・ムターの演奏はどうか。

全般的にあっさりめ、テクニック的に誇張することがなく、甘すぎず、さりげない演奏のものが多い。多分に自己主張が強い演奏スタイルのイツァーク・パールマンとは対照的。


私は、「どうだ、うまいだろ」みたいな強調されたドラマチックな演奏はあまり好きではない。

だから、アンネ=ゾフィー・ムターの演奏は、心乱されることなく聴ける。いろいろ聴いた中で下記CDはお気に入り。


ムター イエローラウンジ.jpg


ムター モーツアルトVC.jpg


ムター モーツアルトVC1.jpg

ムター モーツアルトVS.jpg

ムター 名曲集.jpg



ムターの演奏がきっかけとなって、今まで馴染みがなかったが他の演奏家のもので聴きこんでみようと思う曲が増えた。アンネ=ゾフィー・ムターがランキング一位の理由はその点にあるような気がするところである。

nice!(45)  コメント(2) 
共通テーマ:音楽

ジェフ・ベックのギター [音楽・ドラマ・映画]

名ギタリストジェフ・ベックが先月亡くなった。エリック・クラプトン、ジミー・ペイジと並ぶ3大ロック・ギタリストとして長らく君臨した。
エリック・クラプトン、ジミー・ペイジのギターの音色と比較すると、唸るような加工音が多かった印象が強い。
発売されたアルバムはたくさんある。
第1期ジェフ・ベック・グループ
『トゥルース』 - Truth (1968年)
『ベック・オラ』 - Beck-Ola (1969年)
第2期ジェフ・ベック・グループ
『ラフ・アンド・レディ』 - Rough and Ready (1971年)
『ジェフ・ベック・グループ』 - Jeff Beck Group (1972年)
ベック・ボガート・アンド・アピス
『ベック・ボガート・アンド・アピス』 - Beck, Bogert & Appice (1973年)
『ベック・ボガート・アンド・アピス・ライヴ』 - Beck Bogert & Appice Live (1973年)
ジェフ・ベック
『ブロウ・バイ・ブロウ』 - Blow by Blow (1975年)
『ワイアード』 - Wired (1976年)
『ライヴ・ワイアー』 - Jeff Beck with the Jan Hammer Group Live (1977年)
『ゼア・アンド・バック』 - There and Back (1980年)
『フラッシュ』 - Flash (1985年)
『ギター・ショップ』 - Jeff Beck's Guitar Shop With Terry Bozzio and Tony Hymas (1989年)
『クレイジー・レッグス』 - Crazy Legs (1993年)
『フー・エルス!』 - Who Else! (1999年)
『ユー・ハッド・イット・カミング』 - You Had It Coming (2000年)
『ジェフ』 - Jeff (2003年)
『ライヴ・ベック!』 - Live at B.B. King Blues Club (2003年)
『ライブ・ベック'06』 - Official Bootleg USA '06 (2006年)
『ライヴ・ベック3〜ライヴ・アット・ロニー・スコッツ・クラブ』 - Performing This Week... Live at Ronnie Scott's (2008年)
『エモーション・アンド・コモーション』 - Emotion & Commotion (2010年)
Live And Exclusive From The Grammy Museum (2010年)(国内盤未発売)
『ライヴ・アット・イリディウム~レスポール・トリビュート・ライヴ 』 - Rock & Roll Party: Honoring Les Paul (2011年)
Live +(2015年)
『ラウド・ヘイラー』 - Loud Hailer(2016年)
ジェフ・ベック&ジョニー・デップ
『18』 - 18(2022年)
しかし、購入したのは2枚のみ。中でもジャズテイスト、16ビートの曲が多い「Rough and Ready」は今でも気に入っている。
『ラフ・アンド・レディ』 - Rough and Ready (1971年)
Jeff Beck Group.jpg
「Blow by Blow」もよく聴いたが、失恋等で落ち込んでいた時期であり、中古レコード屋行きとなった。
『ブロウ・バイ・ブロウ』 - Blow by Blow (1975年)
Jeff Beck Blow by Blow.jpg
最近になって、ザ・バンドの名盤を聴くようになったこともあり、ひょっとすると(当時はあまり好きではなかった)ブルーステイストの曲の良さがわかるような気がしているところである。

nice!(53)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

バート・バカラックの思い出 [音楽・ドラマ・映画]

先日、バート・バカラックが亡くなった。



バート・バカラックの訃報を受け、様々なミュージシャンが追悼コメントを発表




ヒット曲はたくさんある。数えきれないほど。


今でも好きな曲がある。恋にまつわるものが多い。


雨にぬれても

遙かなる影

サン・ホセへの道

プロミセス、プロミセス

恋よ、さようなら

恋のおもかげ


気分的に苛立った時、夜中に一人、昼休みの散歩の際、ウォークマンで、単身赴任先から車で帰宅する際など、カーステレオで聴いた。

半世紀前にレコード屋で手にとったシングル盤のジャケットは今になって思えば地味なデザインだった。



雨にぬれても.jpg



サンホセへの道も同様。

サンホセへの道.jpg


つい昨日のことのように思われることばかりである。



nice!(41)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽
前の5件 | 次の5件 音楽・ドラマ・映画 ブログトップ